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みきやん

Illustrator2022(v26)の新機能「3Dとマテリアル」旧バージョン3Dを比較しながら、2重に立体になったタイトルを作る方法をご紹介します!新機能「3Dとマテリアル」は質感のある表面加工ができます。旧バージョンは飛びだした遠近感が表現できます。前作の【Illustrator】文字を加工する(縁取り文字)[アピアランス・効果]イラストレーターを本格的に学ぶ(文字編)(step1)とあわせてご覧ください。「効果」を追加し、シャドウ・ぼかし(ガウス)などを追加して、さらにオリジナルの立体文字に挑戦してください。

ここでの操作は「イラストレーターを触ってみよう」「イラストレーターを本格的に学ぶ(図形編)」「イラストレーターを便利に使う」「イラストレーターを本格的に学ぶ(文字編)をご覧になっている方が対象です。
GONTANと同じ教材で操作したい場合は、左の「練習用素材ダウンロード」のボタンから素材をダウンロードしてください。

今回の内容
  1. 新機能の3Dと旧バージョン(クラシック)の比較
  2. 「アピアランスパネル」を利用して立体文字を作る
    ・3Dとマテリアルの押し出し・ベベル
    ・3D(クラシック)の押し出し・ベベル

新機能の操作

Illustrator2022「3Dとマテリアル」の
押し出し・ベベルの基本操作

Illustratorを立ち上げたら、新規ファイル > 印刷 > A4 > 作成 を押します。

新規作成の画面

● Lesson 1 ●
新バージョンの基本操作

文字ツール文字ツールで立体にしたい好きな文字を入力します。

ここでは「GRAND OPEN」と入力して太い文字を選びます。文字を大きくします。わかりやすいように文字は赤色にします。

好きな文字を入力する画面
②後で旧バージョン「3D(クラシック)」と比較したいので先にoption(alt)キーを押しながら下にコピーします。
③文字を選びます。
上の文字を選択する画面
④3Dとマテリアル > 押し出し・ベベルのパネルを開きます。

新機能の「3D」の部分は上の メニュー > 効果 > 3Dとマテリアル > 押し出し・ベベル から開くか、または、アピアランスパネル > fx > 3Dとマテリアル > 押し出し・ベベル から開きます。

上のメニューから開く
fxから同じ作業ができる画面
アピアランスパネルのfxのアイコンから開く

文字などを選択してからパネルを開くとすでに初期設定の立体になります。

※ちなみにIllustrator2022では新機能は「3Dとマテリアル」旧バージョンの操作「3D(クラシック)」とどちらも操作できます。

Illustrator2022で旧バージョンと同じパネルは「3D(クラシック)」と表示されています。

3D(クラシック)の画面

Illustrator2022では新バージョンは「3Dとマテリアル」と表示されています。

3Dとマテリアルの画面
⑤3Dとマテリアルのパネル上部にある「オブジェクト」「マテリアル」「ライト」の3つのメニューを確認しましょう。

左)「オブジェクト」→ 形状や角度を設定します。

オブジェクトの画面

中)「マテリアル」→ 立体の質感などの表面の設定をします。

マテリアルの画面

右)「ライト」→ 照明の明るさ、角度、影の調整になります。

ライトの画面

確認が済んだら左の「オブジェクト」に戻りましょう。

⑥平面・押し出し・回転体・膨張で立体の形状を決めます。(今回は「押し出し」をご紹介!)
3Dの種類の画面
⑦「押し出し」を選び(初期設定で選ばれているかも)、「奥行き」の長さを設定しましょう。

奥行きは0から2000mmまで設定できます。ちょうどよい所を探します。

奥行きの画面
⑧キャップ・ベベルを触ってみましょう。

「キャップ」は中を空洞にできます。

次の「ベベル」とはエッジの部分の調整です。面白い形ができますので感覚で触ってみましょう!

今回の立体文字には使わないので⑦の状態に戻します。

キャップの画面
ベベルの画面
⑨回転して角度を決めましょう。

「プリセット」で簡単にきれいな角度が選べるようになっています。好きな角度を選ぶ事ができます。「前面」は真っ正面から見た表示なので、奥行き部分が見えず通常の文字のようになります。「背面」は裏側から見た場合です。こちらも側面は見えません。下に「オフアクシス法」「アイソメトリック法」とあります。美しい角度が予め登録されています。詳しくは下記で!

回転の画面
ポイント!

「オフアクシス法」

不等角投影図です。3軸全ての角度が違って奥行きを出したい場合は、自然な形状になります。

オフアクシス法の画面

「アイソメトリック法」

3軸の角度全てが120度で俯瞰(ふかん)的に使われます。

アイソメトリック法の画面

回転の設定は旧バージョンでもプリセット設定があります。

また、「プリセット」の下で自由に角度を調整できます。

自由回転の画面
⑩「マテリアル」に切り替えましょう。

3Dとマテリアルパネル上部の真ん中「マテリアル」の文字をクリックして切り替えます。

⑪「マテリアル」で質感を表現してみましょう。

色やシワの深さ細かさの調整ができますのでいろいろ試してみましょう。「マテリアル」の種類によって変更できる内容が異なります。

マテリアルの画面
⑫「ライト」に切り替えましょう。

3Dとマテリアルパネル上部の右の「ライト」の文字をクリックして切り替えます。

⑬「ライト」で照明の位置を調整してみましょう。

いろいろ試して立体がキレイに見えるところで微調整できます。

⑭修正してみましょう!

文字の修正は「文字ツール」で通常通り修正できます。

3Dの設定をすると「アピアランスパネル」に登録されています。文字を選んで「アピアランスパネル」を見ると、「3Dとマテリアル」と表示されています。「3Dとマテリアル」のパネルを閉じた場合は、ダブルクリックで開き、再度調整できます。

旧バージョンの操作

Illustrator2022の「3D(クラシック)」とIllustrator2021以下の3D 押し出し・ベベルは同じ

● Lesson 2 ●
旧バージョンの基本操作

①立体にしたい文字を選びます。
②旧バージョンの3Dパネルを表示しましょう。

Illustrator2022で旧バージョンを使う場合
アピアランスパネル下の fx > 3D(クラシック) > 押し出し・ベベル (クラシック) を使います。(nepo.blogの画面はこれを使います)

押し出し・ベベル (クラシック)の画面

Illustrator2021以下の場合

アピアランスパネル下の fx > 3D > 押し出し・ベベル と同じですので、そちらから同じ設定画面を表示します。

llustrator2021以下の画面
③パネル一番上の「位置」で基本の角度を選びます。

「オフアクシス法」と「アイソメトリック法」は、前半のポイントで解説しています!(新機能と同じ)

自由に角度を変えることもできます。

位置の画面
④「押し出し・ベベル」で奥行きの幅を設定しましょう。
奥行きの幅の画面
⑤フタ・ベベルを触ってみましょう。

フタは新機能の「キャップ」と同じようです。中が空洞になります。

「ベベル」でエッジの調整ができます。

確認ができたら、ここでは③の作業に戻しましょう。

フタの画面
ベベルの画面
ポイント!

新機能の「3Dとマテリアル」と旧バージョンのデータの違い

3Dとマテリアル

アピアランスパネルで修正はできますが、元は画像つまりラスターで作られます。アピアランスを分解したり、下位バージョンで保存すると埋め込んだ画像になります。

旧バージョン

アピアランスを分解すると、ベクターで処理され、パスをもったオブジェクトになり、拡大・縮小が簡単にできます。

ポイント!

旧バージョンの立体は壊れる場合がある

旧バージョンの立体は壊れる場合の画面

文字は複雑なので側面などの一部が表示されず壊れる場合があります。

・ベベルをやめてみる

・角度を微調整する

・奥行きを調整する

・フォントや文字を変更する

など壊れないところを探ると上手くいくことがあります。それでもうまく行かない場合は、上から手で描いてごまかしたことがあります。

⑥新バージョンにはない機能「遠近感」を使って飛び出てくる迫力ある文字に!

「遠近感」は角度と「奥行き」の数値と組み合わせて飛び出た迫力のある立体が表現できます。見本は「遠近感」100°、「押し出しの奥行き」1000ptにしています。

遠近感の画面
遠近感完成の画面
⑦影の調整をしましょう。

下の「詳細オプション」のボタンから調整します。

「詳細オプション」のボタンの画面
光の調整の画面
⑧「OK」を押せば完成です。
OKで完成の画面

旧バージョンで
2重立体文字を作る

効果の「変形」を利用して
立体の位置を調整する

修正できる2重立体文字を作るには、新機能の「3D」でも「旧バージョン」でも基本は同じです。立体作業はクラッシュしやすいのでこまめに保存してください。

● Lesson 3 ●
旧バージョン」で
2重立体文字を作ってみよう!

①立体にしたい文字を入力します。

先ほどと同じフォント・大きさ・太さにします。

線を追加の画面
②「アピアランスパネル」で「線」を追加して、「線」は赤に「塗り」は黄色にします。

「アピアランスパネル」で「線」を追加すると「塗り」も一緒に追加されます。「線」をクリックして赤に、「塗り」をクリックして、黄色にします。(この作業は前回の動画で説明していますのでわからない方は参考にしてください!)

縁取り文字の画面
③「線」をドラッグ&ドロップで「塗り」の下へ移動します。
下へ移動の画面
④「線」が細いので太くします。
線を太くする画面
⑤「線パネル」を表示して線の角を丸くします。
線の角を丸くする画面
⑥「アピアランスパネル」の「線」を選んで「fx」アイコンで3D(クラシック)のパネルを表示します。
線を立体にする画面
3D(クラッシック)の押し出しの画面
⑦立体の角度を決めましょう。

見本は「オフアクシス法 前面」のままです。

オフアクシス法 前面の画面


自由回転の場合は、後から作る2つ目の立体と角度をあわせるため、数値をスクリーンショット等でメモがあるとスムーズです。「アピアランスパネル」の「線」にできた3Dを(+)で複製してからアピアランスパネル内で「塗り」へ移動もできますが、クラッシュしやすいのでメモをして再入力するのがオススメです。

メモの画面
⑧奥行きの設定をします。

ここでは奥行きを100(pt)にします。

奥行きの画面
⑨「OK」を押します
⑩黄色の「塗り」も立体にしましょう。

「アピアランスパネル」の「塗り」を選んで fx アイコンで3D(クラシック)のパネルを表示します。オフアクシス法 前面のままにします。メモをした方は先ほどの「線」と同じ角度にします。

塗りも立体にする画面
メモの画面
⑪奥行きを決めましょう。

奥行きは先ほどより浅く、10ptにします。

奥行きの画面
⑫立体のズレを調整しましょう。

「アピアランスパネル」で黄色の「塗り」を選んで fx > パスの変形 > 変形 を選びます。真ん中に「移動」の数値が入力できます。ちょうど良い位置に移動し、調整します。

変形の画面
移動の画面
⑬立体文字後ろの黒い文字を消しましょう。

立体の後ろに何かあります。これは最初に入力した「文字」の黒色が見えています。「アピアランスパネル」の「文字」を選んで文字色を「なし」にします。

余分な黒の画面
文字色をなしにする画面
文字を選ぶ画面

Illustrator2022の
新機能で
2重立体文字を作る

新機能の効果の「変形」を利用して
立体の位置を調整する

● Lesson 4 ●
「2022の新機能」で
2重立体文字を作ってみよう!

①先ほどコピーした下の「文字」を選びましょう。
②「アピアランスパネル」の「線」をクリックしましょう。
線を選ぶ画面
③「fx」の 3Dとマテリアル > 押し出し・ベベル を選びます。
押し出し・ベベルを選ぶ画面
④旧バージョンと比較したいので「オフアクシス法 前面」のまま同じにします。
オフアクシス法 前面の画面
⑤奥行きの設定をしましょう。

単位は「旧バージョン」はポイント(pt)でした。こちらはミリ(mm)になっていますので単位も消して100pt半角で入力します。

奥行きの画面
⑥「アピアランスパネル」に戻って「塗り」をクリックして選びます。
「アピアランスパネル」に戻る画面
「fx」の 3Dとマテリアル > 押し出し・ベベル を選びます。
押し出し・ベベルの画面
⑧奥行きを10ptにします。
⑨再度「アピアランスパネル」に戻って 「塗り」をクリックし、 fx > パスの変形 > 変形 を選びます。
移動の画面
⑩ちょうどよい位置に移動します。
移動の画面
⑪元の文字の色は「なし」にします。
文字を選択する画面
文字色をなしにする
完成の画面

● Lesson 5 ●
「マテリアル」を使って質感を表現してみましょう!

①先ほど作った文字をコピーします。
②上から長方形ツール長方形ツールで背景を描き、好きな色に変更します。(あとで光を入れるため暗めの色がオススメ!)
コピーした画面
③長方形を立体文字の下の「最背面へ」で移動させます。

長方形を選んで上の メニュー > オブジェクト > 重ね順 > 最背面へ を選び一番下へ移動します。

最背面へ移動の画面
④「アピアランスパネル」で「線」の「3Dとマテリアル」をダブルクリックし、「マテリアル」と「ライト」の設定を追加しましょう。

自由にマテリアルやライトの設定をしてください。

ダブルクリックの画面
マテリアルに切り替える画面
マテリアルの画面
色を変える画面
マテリアルの調整の画面
⑤「フレアツール」を表示させましょう。
ポイント!

Illustratorの初期設定のままでは、よく使う基本のツールだけが表示されています。ツールパネル一番下の「・・・」をクリックし、すべて表示させます。右上の三本線をクリックして「基本」になっている場合は初期設定なので「詳細」にします。これで便利なツールが複数表示され、デザインやイラストの幅が広がります。

点を押す画面
三本線を押す画面
詳細にする画面
フレアーツール「フレアツール」で光を入れましょう。

図形ツールを長押しすると「フレアツール」が隠れています。ドラッグ&ドロップで光を簡単に入れられます。「フレアツール」のアイコンをダブルクリックで詳細な設定もできます。

フレアツールの画面
光を入れる画面
完成の画面
⑦影を描きましょう。

下にペンツールペンツールなどで影を描いて、「アピアランスパネル」で「塗り」を選び、 fx > ぼかし > ぼかし(ガウス) でぼかします。

影を描く画面
影をぼかす画面
⑧影と背景を馴染ませましょう。

背景と馴染ませるために「アピアランスパネル」の「塗り」の「不透明度」をクリックし、「通常」を「乗算」に変更します!

影をなじませる画面
⑨文字と光を選んで「最前面」に移動します。
移動する画面
完成!
完成!
今回のおさらい
  1. 3Dの新機能は
    表面の質感が表現できる
    遠近法ができない
    ラスターでできている
  2. 旧バージョン(クラシック)は
    遠近法ができる
    質感は表現できない
    ベクターでできている
    文字は複雑で一部壊れることがある

何度も出てくる装飾文字や修正がよくあるタイトルなどは、「アピアランスパネル」を使いこなすと大変便利になりデザイン作業がはかどります!シャドウやぼかし・3Dや変形など、アイデア次第で修正ができる便利なデザインがドンドン生まれます!
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